外壁通気工法の隙間対策|確実な施工と防鼠処理で長寿命住宅を実現
2025/03/03
ブログ
著者:株式会社木材保存センター
【専門業者が徹底解説】外壁通気工法の隙間対策|確実な施工と防鼠処理で長寿命住宅を実現
東京・神奈川エリアで50年以上にわたり木造住宅の保全施工を手がける「株式会社木材保存センター」が、外壁通気工法における隙間対策について専門的に解説します。ネズミや害虫の侵入を防ぎながら、適切な通気を確保する高精度な施工方法、そして長期的な住宅の健康を守るための知識を、専門家の視点から余すことなくお伝えします。
外壁通気工法の隙間問題と深刻なリスク:なぜ対策が不可欠なのか
外壁通気工法は、日本の多湿な気候において、住宅の耐久性を高めるために非常に有効な工法です。しかし、その構造上、外壁材と構造躯体の間に通気層を設けるため、どうしても隙間が生じてしまいます。これらの隙間は、単に小さな穴というだけでなく、以下のような深刻なリスクを引き起こす可能性があります。
- ネズミ、害虫の侵入と繁殖:
- ネズミはわずか1cmの隙間があれば侵入可能であり、建物内部で繁殖し、配線をかじったり、糞尿による衛生問題を引き起こします。
- 都市部で増加中のハツカネズミは6mm前後の隙間でも侵入します。
- 構造躯体の劣化:
- 雨水が隙間から浸入し、構造躯体を腐食させることで、建物の耐久性を著しく低下させます。
- 特に木造住宅の場合、湿気による木材の腐朽は深刻な問題です。
これらのリスクを回避し、住宅の寿命を延ばすためには、外壁通気工法の隙間対策は不可欠です。
専門業者が推奨する防鼠材の種類と特徴:最適な選択のために
隙間対策に使用する防鼠材は、その種類によって特徴や適した用途が異なります。専門業者が推奨する主な防鼠材と、その選択のポイントを解説します。
1. ブラシ状防鼠材:複雑な形状にも柔軟に対応
- 特徴:
- 柔軟性が高く、複雑な形状の隙間にもフィットします。
- 通気性を維持しながら、ネズミや害虫の侵入を防ぎます。
- 施工が比較的容易で、DIYでの使用も可能です。
- 適した用途:
- 土台水切りと外壁材の隙間、配管の貫通部など、不均一な隙間に最適です。
- 通気口の周りなど。
- 選択のポイント:
- ブラシの密度や材質を確認し、耐久性や防鼠効果の高い製品を選びます。
- ブラシ部分がステンレス製のものは、耐久性が高いです。
2. パンチングメタル製防鼠材:高い耐久性と防鼠効果
- 特徴:
- 金属製のため、ネズミの噛みつきに強く、高い耐久性を誇ります。
- 隙間の形状に合わせて加工し、ビスや接着剤で固定します。
- 加工が必要な為、専門業者による施工が必要です。
- 適した用途:
- 外壁材と構造躯体の大きな隙間、換気口など、確実な防鼠対策が必要な場所に最適です。
- 選択のポイント:
- 金属の種類(ステンレス、アルミなど)や厚みを確認し、耐久性の高い製品を選びます。
- 外部から施工できない場合は床下からの施工するケースも多いです。
3. 新築基礎防鼠材:
- 特徴:
- 新築時に基礎と土台の隙間を塞ぐ防鼠材になります。
4. その他防鼠材
- 防鼠金網:
- 通気口や換気口に設置し、害虫の侵入を防ぎます。
- 網目の細かさや材質を確認し、耐久性の高い製品を選びます。
- 防鼠コーキング材:
- ネズミ忌避効果があるハッカ臭が混合している為ネズミの侵入を防ぎます。
精度を高める施工手順と専門家の技術:長期的な効果のために
隙間対策の効果を最大限に引き出すためには、適切な施工手順と専門家の技術が不可欠です。
1. 事前調査:隙間の特定と対策計画
- 隙間の形状・寸法の測定:
- レーザー距離計や内視鏡カメラなどを使用し、隙間の形状や寸法を正確に測定します。
- 写真記録:
- 隙間の状態を写真で記録し、施工前後の比較やメンテナンスに役立てます。
- 最適な資材選定:
- 隙間の形状や用途に合わせて、最適な防鼠材や施工方法を選定します。
2. 分割施工:確実な施工と品質管理
- 小範囲ずつ確実に施工:
- 広い範囲の隙間を一度に施工するのではなく、狭い範囲に区切って施工することで、精度を高めます。
- 施工後の確認:
- 施工箇所を隈なく確認し、隙間や不備がないかチェックします。
3. 専門業者連携:安全性と確実性の確保
- 外壁材の脱着:
- 外壁材の脱着が必要な場合は、専門業者に依頼し、建材の破損や雨漏りを防ぎます。
- 高所作業:
- 高所作業が必要な場合は、足場を設置したり、高所作業車を使用するなど、安全対策を徹底します。
- 専門知識と技術:
- 専門業者は、建物の構造や防鼠に関する専門知識と豊富な経験を持っているため、確実な施工が期待できます。
長期維持のためのメンテナンス設計:住宅の健康を守るために
隙間対策は、一度施工すれば終わりというわけではありません。長期的に住宅の健康を守るためには、定期的なメンテナンスが不可欠です。
1. 定期点検:早期発見と早期対応
- 年1~2回の定期点検:
- 定期的に点検を行い、防鼠材の劣化や隙間の発生がないか確認します。ネズミは再侵入するケースが多い為点検が必須です!
- 特に、台風や地震の後などは、入念な点検が必要です。
- 点検項目の例:
- 防鼠材の劣化、破損、剥がれ
- 隙間の発生、拡大
- ラットマークの侵入痕跡
2. 耐久性防鼠材の選定:将来的なメンテナンスを考慮
- 補修が容易な防鼠材:
- 外部に面している為耐久性がある防鼠材、施工が重要になります。
3. 災害後の点検:早期の復旧のために
- 台風・地震後の点検:
- 台風や地震などの災害後は、外壁や通気層に損傷がないか入念に点検します。
- 早期に損傷を発見し、修繕することで、被害の拡大を防ぎます。